機械宇宙システム専攻
極限熱流体力学講座 高速流体力学分野

宮内研究室

Advanced Fluid Dynamics Laboratory
Department of Mechanical and Aerospace Engineering
Tokyo Institute of Technology

スタッフ 所在地 研究室HP キーワード 主な研究内容
English
Japanese

スタッフ

宮内敏雄
ミヤウチ トシオ
宮内 敏雄
教授
教員プロフィール
tmiyauch@mes.
※E-mailアドレスの後ろに "titech.ac.jp" を付加して下さい.


所在地

〒152-8550
東京都目黒区大岡山2-12-1
石川台1号館


研究室ホームページ

http://www.navier.mes.titech.ac.jp/


キーワード

乱流 乱流燃焼 乱流熱・物質輸送 直接数値計算 スーパーコンピューティング
レーザー計測 次世代推進・エネルギーシステム
(熱工学 流体工学 環境工学)


主な研究内容

<乱流の直接数値計算>

乱流の直接数値計算(Direct Numerical Simulation; DNS)は,流れ場の運動を記述するNavier-Stokes方程式及び連続の式を高精度離散化手法を用いて,モデルを一切使用せず直接計算する方法である.現在,DNSは実験的に得ることが困難な詳細な情報を手に入れることのできる重要な研究ツールとなっている.本研究室では,スーパーコンピュータを駆使して数億の格子点を用いて種々の乱流場を再現している.

これらのDNSから,乱流場には流れ場に依らない普遍的な微細構造,『コヒーレント微細構造』が存在することが明らかになっている.『コヒーレント微細構造』は工学上重要となる抵抗低減,伝熱促進,スカラー輸送などに大きな役割を果たしている.そのため,本研究室ではそれらの特性を把握し,モデル化あるいは乱流制御を行うことを目的として研究を行っている.

一様等方性乱流

一様等方性乱流(Rel=270.1)

水素・空気乱流予混合火炎

水素・空気乱流予混合火炎(Rel=97.1)

<乱流燃焼の直接数値計算>

乱流燃焼のDNSは,乱流場の計算に加えエネルギー方程式や化学種保存式を解く必要がある.火炎は本来多くの化学種と素反応によって構成されており,その内部構造まで解像するためには,より高い空間分解能と細かい時間刻みが必要となる.水素・空気を燃焼させた場合,十数化学種及び数十の素反応,メタン・空気の場合には百数十化学種,数百の素反応にも及び,それらをすべて考慮する必要がある.

乱流火炎では,火炎と微細な渦との作用が局所的な燃焼特性を支配している.そのような現象を三次元的に捉え,乱流燃焼の特性を解明することで,実用燃焼器の高効率化と低環境負荷化を行うとともに,次世代燃焼器の基礎となる知見を得ることを目的としている.

<高時間・高空間分解能時系列 Stereoscopic PIV>

粒子画像流速計(Particle Image Velocimetry; PIV)は,流れ場の流速計測方法の一つであり,二次元平面もしくは三次元体積における速度2成分または3成分の多点同時計測することができる.しかし,従来のPIVは点計測である熱線流速計やLDVに比べて時間分解能が低く(数十Hz程度),キロヘルツオーダーの変動を有する乱流場の計測には不十分であった.

本研究室では,工業加工用の高出力・高周波数Nd:YAGレーザーと高速度CMOSカメラを用いることにより,キロヘルツ級の時間分解能を有するStereoscopic PIVシステムの開発に成功した.その最高時間分解能は26.7kHzに達し,これは世界で最も高速なPIVである.このPIVシステムを用いることによって乱流研究のさらなる進展がもたらされると考えられる.

噴流における計測結果

噴流における計測結果(1.799 kHz)

局所火炎構造

局所火炎構造

<CH-OH PLIF/Stereoscopic PIV 同時計測>

乱流火炎の局所構造を明らかにする手法として平面レーザ誘起蛍光法(PLIF)が多く用いられている.OH PLIFは乱流火炎の瞬間的な未燃領域と既燃領域の識別が可能である.CH PLIFは,火炎面近傍にのみ存在し火炎面で鋭いピークを示すCHラジカルを計測することで,乱流火炎の瞬間的な火炎面を特定することが可能である.CH-OH PLIF同時計測により,乱流予混合火炎の構造に関するより多くの重要な情報を得ることができる.

乱流燃焼のメカニズムを明らかにするには,PLIFによって得られる火炎構造とともに,乱流場の特性を明らかにすることが非常に重要である.しかし,過去の研究の多くのほとんどは単一のラジカルのPLIFと2次元平面による速度2成分もしくは3成分の同時計測に限定されていた.本研究室では,乱流予混合火炎の局所火炎構造を解明するために,CH-OH PLIFとStereoscopic PIVの同時計測システムを開発した.このシステムをスワール燃焼器の高強度な乱流予混合火炎に適用し,2つのラジカル濃度と速度3成分の同時計測に世界では始めて成功している.